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高等教育
【連載第2回】Lポートフォリオについて
高等教育企画室ではLポートフォリオの改善・活用促進のための一方策として、ポートフォリオに関する連載を開始いたしました。その第2弾として、食農学類の高橋 秀和先生よりご寄稿いただきました。
- Lポートフォリオに期待すること
高校生は自分の学習記録のために、既にポートフォリオ「eポートフォリオ」を利用しています。逸早くeポートフォリオを取り入れた、ある中高一貫校の先生のご意見を紹介します。先生方が気になることは、生徒の学習成績とeポートフォリオの利用との関係性だそうです。傾向としてeポートフォリオの利用率が高い、真面目に書き込みをする生徒の学習成績は概ね良いそうです。ところが、学習成績が優秀な生徒の中には全くeポートフォリオを利用しない、不真面目(?)な生徒もいるそうです。このeポートフォリオの取組みによって、真面目な生徒の学習成績は悪くないことが分かったそうです。
え、それだけ?これでは生徒を成長させるツールとしてeポートフォリオが運用されているようには見えませんね。
福島大学では、令和元年にこれまでの紙媒体から電子媒体へ移行し、全学的にポートフォリオ「Lポートフォリオ」が導入されました。私は福島大学の紙媒体のポートフォリオ『学びのナビ』を学ぶために、10年前の1月に視察に訪れ、その年の4月から前任校で6年ほどポートフォリオの運用に携わりました。高等教育におけるポートフォリオのブームはそのころで、ポートフォリオを使えば日本の大学生も、海外の大学生並みに家庭学習時間が伸びると信じられていた時期だったように思います。また、大学では「単位制度の実質化」が言われ出し、「認証評価」でも受けが良く、それらがポートフォリオの追い風となったように思います。振り返れば、学内の抵抗勢力を蹴散らすほどのムーブメントがありました。
さて『学びのナビ』は福島大学生を成長させるツールとなっていたのでしょうか。私は運用側ではありましたが、多数の学生とのポートフォリオのやり取りを通じて、学生一人ひとりを見守る距離感と言ったものを感じ取る能力が付いた、自分が成長できたと感じています。成長を自分で実感できるのがポートフォリオの効果で、学生と教員が共に成長できるのがポートフォリオと私は信じています。
学生第一のLポートフォリオであって、これにより教育の質が高まること、これが私のLポートフォリオに期待することです。